介護医療院とは?老健・特養との違いを解説します!
2025/01/10
投稿者:転職ガーデン
そもそも介護医療院って何?
医療と介護を一体的に提供する介護保険施設です。
介護医療院は、長期療養が必要な要介護者に対し、医療と介護を一体的に提供する介護保険施設です。この施設には介護職のほか、医師、看護師、薬剤師、リハビリ職など多職種が配置されており、入所者は生活の場で医療やリハビリを受けられます。
施設内では、喀痰(かくたん)吸引や経管栄養などの医療的ケアに加え、看取りやターミナルケアも対応しています。また、日常生活を支える施設として、食事や排泄の介助、さらにはレクリエーションの提供などもおこなっています。これらのサービスはすべて介護保険の適用対象です。
介護医療院の入所条件はどうなってるの?
介護医療院に入所できるのは、要介護1〜5に認定された方のみです。要支援1〜2に該当する方は利用できません。
要介護認定は、原則として65歳以上の第1号被保険者(介護保険加入者)を対象に行われます。ただし、40歳〜64歳の第2号被保険者であっても、関節リウマチやパーキンソン病などの特定疾患が原因の場合には、要介護認定を受けることが可能です。
介護医療院の種類はあるの?
介護医療院は、入所者の病状に応じて「Ⅰ型」と「Ⅱ型」に分類されます。
- Ⅰ型: 病状が重く、急変のリスクが高い入所者を対象とした施設で、病院に近い体制が整えられており、医師や看護師が配置されています。
- Ⅱ型: 容体が比較的安定している入所者を対象としており、介護老人保健施設と同等以上の人員基準が求められています。
介護医療院と介護・医療施設の違いは何?
高齢者向けの施設にはさまざまな種類があり、それぞれの特徴を理解して適切な施設を選ぶことが大切です。以下では、「介護医療院と老健・特養の違い」と「介護医療院と医療施設の療養病床の違い」に分けて解説します。
介護医療院と老健・特養の違い
現在、介護保険施設には以下の3種類があります:
- 介護医療院
- 介護老人保健施設(老健)
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
これらの施設は設置目的が異なるため、利用期間、対象者、提供されるサービスにそれぞれ違いがあります。特別養護老人ホームは「特養」と略されることもあります。利用を検討する際には、入所者の状態やニーズに合わせて選ぶことが重要です。
介護医療院と老健の主な違い
介護医療院と介護老人保健施設(老健)の違いは、施設の目的と利用期間にあります。
- 老健: 病院を退院した後、リハビリや介護を受けながら在宅復帰を目指すための施設です。原則として入所期間は3ヶ月に制限されており、看取りやターミナルケアには対応していません。
- 介護医療院: 長期の入所を前提とした生活施設で、医療的ケアや看取り、ターミナルケアにも対応しています。
介護医療院と特養の主な違い
介護医療院と特別養護老人ホーム(特養)は、対象者と医療サービスの提供内容に違いがあります。
- 特養: 要介護3以上で、在宅生活が困難になった高齢者を対象とした生活施設です。終身利用が可能で、看取りにも対応していますが、医療サービスは必要最低限に限られます。
- 介護医療院: 要介護1以上で医療的ケアが必要な高齢者を対象とし、医療サービスを提供する生活施設です。医療的なサポートが必要な場合でも安心して利用できる点が特徴です。
介護医療院と療養病床の違い
療養病床は、病院や診療所で長期療養を必要とする患者のための病床を指します。このような病床を持つ施設は「療養病院」や「療養型病棟」とも呼ばれることがあります。
介護保険施設である介護医療院と医療施設である療養病床では、入所者の「医療区分」に違いがあります。医療区分は、患者の医療的な必要性を3段階で示す基準です。
- 療養病床: 原則として、医療区分3(人工呼吸器が必要な状態など)や医療区分2(筋ジストロフィー、パーキンソン病関連疾患など)の患者が対象です。
- 介護医療院: 医療区分3や医療区分2に加え、医療区分1(それらに該当しない軽度の医療ニーズがあるケース)の人も受け入れ可能です。
この違いにより、療養病床は高度な医療が必要な患者に適しており、介護医療院は医療的ケアが必要な高齢者を含め、幅広いニーズに対応しています。
介護医療院は増加傾向にある
介護医療院の施設数は、2018年以降増加傾向にあります。この増加は、介護療養型医療施設からの移行が進んだことによるものです。2022年10月時点で、全国の介護医療院の施設数は730施設に達しています。今後の転職を考える際には一つの候補として考えてみるのもいいかもしれませんね。